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鳥と魚と釣り針と

2020.01.21

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皆様こんにちは。関東の渡邉です。

ここ数年来のことですが太平洋の黒潮が蛇行を続けており、その影響は遠く北海道まで影響しているとか。1月に入っても脂ののったマイワシがスーパーで買えるのはうれしい事ですが温暖化だといわれるとうつ向いてしまいます。さて、例にもれず地元関東の海も蛇行で派生した暖流のおかげか、この厳冬期に秋がメインの魚が時々沿岸に大挙押し寄せて来たりしております。

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波打ち際に舞う無数のウミネコたち。この下にはイワシとそれを追うイナダの大群。イナダが下からイワシを追えばイワシは水面に飛びそれをウミネコが食べるというすざましい食物連鎖の光景です。こうなると釣り師は何を投げても魚がかかる。昨年も短時間に数十匹というイナダの釣果に何度か恵まれました。豊饒の海、原始の海、ふとよぎったその感覚の中にいわゆる縄文の釣り針を思い出しました。まともな糸などない時代に動物の骨を削って作った例の出土品。魚が狂乱しているこの状況ならあの骨の針でも釣れるであろうと確信しました。実は動物の骨格は近年まで漁具として使用されておりまして、弓角といって主に牛の角を削って針を付け水中を引っ張って回転させるというものでした。私的な経験則では魚はキラキラしたりモワっと光るものを好むので、牛の角や動物の骨のつやのあるパール感やひょっとするとリンの成分の発光が魚を魅了させるのかもしれない。ルアーフィッシングの起源はピクニックでお弁当を食べていた西洋の子供が誤ってスプーンを湖に落としたらそれを鱒が咥えて行ったことから柄のないスプーンに針を付けたものが発祥ということになっておりますが、ひょっとすると縄文の骨の針もルアーだったのではないか?骨の針で釣った魚をぶら下げ、帰り道に栗のようにゴロゴロ落ちているハマグリを砂浜で拾いながら暮らしていた私たちの先祖。豊かな海はそんなロマンも掻き立ててくれます。