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次元のお話し

2021.06.10

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次元のお話し

こんにちは。関東の渡邉です。日頃からふとご縁を感じた時にはポチっと通販で書籍を購入するという読書スタイルでここ十数年ですが、今回巡り合った本は19世紀のイギリスの神学者エドウィン.アボット.アボットの知る人ぞ知る古典的名著とのこと。2次元世界で暮らす主人公のSF小説で、子供でも読めるその内容に少し飽き始まったあたりで第二部の展開。瞬殺に近い読み手への鋭い問いかけに思わず声を上げてしまいました。千年に一度、3次元界からまるで神のように現れ、物理学的に3次元を証明し、主人公を3次元の世界に案内する。その3次元の住人に、計算上有りうる4次元の世界を案内してほしいと懇願する2次元の主人公。もはや書いているだけで自分でも混乱しますが、2次元社会で暮らし、夢の中で0次元、1次元世界を見て、3次元を体感した主人公が、<4次元を見せてほしい>と懇願するのも至極当然のこと。
かつて4次元を予言したアインシュタインから遡る19世紀にこんなことを考えていた人が居たかと思うとちょっと驚きでした。釈迦やキリスト臨済空海等々色々な説話を思い返すと、どうやらこの2次元の主人公の心持に感づかされます。<なにごとのおわしますかは知らねども、かたじけなさに、なみだこぼるる>…那智の滝を見た空海の一句。学問では自然崇拝としますが、この感覚が熊野信仰ひいては日本の古神道に通ずるものではないかと、ひそかに感じております。